「ひまりー?」
さっきから思ってるのと違う反応されて戸惑っている。
……赤くなるとか、反則じゃねぇ?
「ひまり?」
「…秦…あ、ココア」
「あぁ〜はい。出来立てホヤホヤのホットココア」
「…ありがとう」
優しく微笑むひまり。
……かわいすぎる。
両手でコップを包みながらとか……萌える。
って俺キモすぎだろ!
「…秦を好きになってたらどんなに…」
「ひまり?」
「…どうして…皐なんだろう…」
「……辛くても好きなら別れなきゃいいんじゃねぇの?」
「…疲れちゃった」
「じゃあ、別れるのか?」
「……っ」
「ほら。…迷ってるなら、まだ結論を出さなくていい。無理やり出すもんじゃねぇ」
「…秦…」
本当は別れてほしい。
ひまりの苦しむ姿も、
泣いている姿も見たくないから。
皐の切ない顔も、
伝わらない愛も見たくないから。
――でも、違う。
誤解がとけさえすれば、2人は戻れるんだ。
そうだろ?
なら俺は、まだいい。
片思いでいい。
「ひまり、俺帰るな?」
「…あっ、うん」
「じゃあ泣くなよ?」
「…うん。」
そんな名残惜しそうな寂しそうな顔をしないで。
変に期待して苦しくなる。
この期待が叶うことはないと分かっているから。
……ひまり、好きだよ。
そう言えばひまりも、
“あたしも好きだよ。”
と言ってくれるだろう。
でも違うんだ。
俺の求めてる“好き”は、
ひまりの思う“好き”じゃない。

