「…そんなの知らないよ。」

「…ひまりが俺を嫌いになるはずない…」

「…願い?それ」

「……かもな」

「浮気してる人のそんな願いが叶うと思ってんの?」

「……思ってねぇよ」







じゃあなんでやめないのよ。

やめたら別れなくて済むんだよ?

誰も傷つかずに済むんだよ?

――なんでわかないの、皐には。








「皐。」

「……ん」

「あと3日後なにがある?」

「3日後…」







それを答えれたらヒントはあげる。


――ううん、アドバイスかな。







「…あ」

「なに?」

「付き合って4ヶ月の記念日だ」

「…さすが皐。」

「…で?それが?」

「その日まで浮気しないことを進めるわ」

「…なんか関係あんのか?」

「……さぁ」

「……!」







勘のいい皐は気づくはず。

――あたしがなんでこう言ったか。

なんで記念日か。







「まさか…別れようとしてるのか?やっぱり」

「そんなの知らないって。ただ進めただけ」

「……浮気か」

「アンタって飽きたの?好きじゃないの?ひまり」

「なわけねぇーだろ!!」

「っ!…急に大声出さないでよ!」







……そんなに好きならなぜ?

まさか幼稚じみた理由じゃないでしょうね?

そんな理由だったらぶっ飛ばす。








「聞いただろ?ひまりから」

「なにを?」

「初めの、浮気」

「…あぁ。後輩とヤったやつ?」

「…まぁ。」

「…それがなに?」

「あれさ…俺悪いんだけど。…ひまりが言った言葉が“大丈夫”だったんだ」








嫌われたくないからひまりはそういうしかなかった。

そういう乙女心になんで男は気付かないのかな?

疎いのよ、疎すぎる!!







「…俺は“浮気しないで”って言って欲しかった」

「我が儘ね、随分と」

「“あたしが皐の中で1番ならいい”って許してほしくなかった。」

「……ひまりのこと考えなよ、少しは」

「え?」

「そんな理由の為に浮気してんの?…なら別れてくれない?」

「………」







そんな理由?

……ふざけないでよ。

ひまりがどんなに苦しいか…!!