一途な彼女×浮気な彼氏


「ごめん…」

「皐、今度は幸せにしてあげてね」

「…ひまり…」

「あたしも幸せでした」

「俺も幸せでした」












そう言うとひまりは去っていった。


……ごめん、ごめん。

幸せにしてやれなかったはずなのに。

罪悪感を薄めようとしてくれた。













「あぁ…終わったのかー」












あ……ぁ。


やべーなぁ……


いてぇよ…












「くそっ…!泣いてんじゃねぇよ…」












頬を伝う涙が憎たらしい。

止まらない涙が憎たらしい。


……泣きてぇのはひまりだ。

……泣いちゃだめなんだよ、俺は。

苦しむのも当たり前だ。

いてぇのも当たり前だ。



――泣く資格なんてない。




ないのに…ないのに涙は止まらない。












「いてぇよっ…なんだよ、コレ…」











胸が握りつぶされてるように痛む。


苦しくて、痛くて、辛くて。


ひまりを離したくなくて。

ひまりに“好きだよ”って言いたくて。


ひまりを抱き締めたくて、キスしたくて。





ずっと隣にいてほしいんだ―……。












「好きだ…ひまり…」












届かない言葉。



教室にポツリとこぼれ落ちた涙。



俺は、なんでいつもこうなんだろう。



――すげぇ、好きだよ。



言えない思いを俺は、ずっと背負っていく。