一途な彼女×浮気な彼氏


「つか、ひな大丈夫?」

「うーん…頭ガンガンするって…」

「あんだけ飲んでりゃ二日酔いなんだろ」

「だよね…。」

「あ、あの人も…」

「あぁ。全然平気だって」

「まじ?つか結局アイツも泊まったんじゃん。」

「アイツ言わない〜」












全然入ってけねぇし…。

しかも昨日って…また家に行ったのかよ?

しかもニュアンス的に泊まった感じじゃん。


…俺でさえ、泊まってないのに。


あぁー…なんかすっげぇアウェー感。












「…つき!皐!ぶつかる!」

「は……ってぇ…!」

「大丈夫!?」












俺としたことが考えすぎて柱に頭ぶつけるとか…。


マジ……かっこわりぃ。

でも、嬉しかった。

秦との話無視して俺の方に向かってきたとき。

いち早く駆け付けてきたこと。



――好きなんだよ、コイツが。












「あっちょっと擦りむいてる!」

「皐、顔に傷つけるとかお前大丈夫か?」

「は?そこまで顔に命懸けてねーよ?」

「いや…お前顔に傷付けたらダメだろ」

「あー……まぁ。」












やっと秦の言いたいことが理解できた。

“浮気”ね。

今、理解したよ。

別にどーでもよすぎて理解すんのに遅れたし。

だって好きなやつ意外のことなんて興味なくね?

心配する必要すら感じねぇっつーか。


…考えたら俺、ひどくね?












「…心配してバカみたいだったか…」

「ひまり?」

「何でもないよ!はい、バンソコ!」

「お、ありがとう」

「ごめん、ちょっとトイレ行くから秦はってあげて?」

「あー…おう…」

「んっ!」

「ひまり、隠すんじゃねぇよ?…速く、帰って来い」

「…わか、ってる…!秦のばーかっ!」

「おう。速く行けよばーか」











2人の会話がわかんねぇ。

…つか入り込んじゃいけない気がする。



でも…“ばーか”って久しぶりに聞いたな。

ひまり、俺に1回も言ったことないんだよな。



――俺にたいして感情的になることないし…。












「…なにドジやってんだよ、お前は」

「別に」

「お前が考え込むなんてひとつだろ」

「…っうるせーよ…」

「素直になればいいのに」

「………っ」












俺は、お前のその余裕ぶってんのがキライなんだよ。

勝ち誇った笑顔が。

なんでもわかってるみたいな笑顔が。


…俺に持ってねぇもん持ってるお前が、キライだ。



子供なのはわかってる。

けど、嫌なんだよ、キライなんだよ。

仕方ねぇじゃん…俺は持ってないもの持ってて。

俺が出来ないこと出来て。

ずるくて俺がずっと勝てねぇの…お前だし。












「よし、おーけー。屋上行こ」

「…ひまりは?」

「トイレって言ってただろ」

「にしてはなげぇじゃん」

「お前察せないわけ?」

「は?」

「わかんだろ。大だろ、大。下り竜かもしんねぇし」

「お前のがひでーだろ」











違う。

こんな事が聞きたいんじゃねぇ。

…さっきの会話の意味を。


なんかわかってるんだろ?

――………お前は。