――ピンポーン…
「あたし出てくるね〜」
「ん。秦、野菜とって」
「貸して。」
誰なんだ?
この様子だとひなが呼んだわけじゃないっぽいしな。
「アンタ、口ついてるよ〜」
「ん?取れた?」
「はぁ…とってあげる」
ひなの顔がちょっと近づく。
…やっぱ綺麗な顔してるよな〜。
まぁドキドキしないけど。
「お姉―……ちゃん?」
「あ、ひまり〜」
「なにしてんの?」
「……え?」
「やっぱり…付き合ってるんだ…?」
男の、声。
震えてるひまりの、声。
でもその前に、ひなの顔。
めっちゃ放心してるんだけど。
「ひまり、おいで?」
「やっ…!お姉ちゃんと付き合ってるくせに!」
「お前が、さつき?」
「は?」
「お前…ひなを落とした男?」
「…なんの話だよ」
「お前が―……」
「ちょっと!なんでアンタがいんの!?」
「来いって言ったじゃん」
「今日なんて言ってないでしょ!?」
「ひまり、おいで。付き合ってないから」
「付き合ってない…?」
「付き合ってない?」
「お前に言ってねぇし。おいで、ひまり」
「秦っ…!」
「ん。」
胸に飛び込んでくるひまりが可愛い。
ギュッと抱き締めると香ってくるひまりの甘い香り。
つか…俺今日何回可愛いって思ってんだよ。
重症だろ、俺。
「帰りなさいよ!」
「お姉ちゃんのお友達ですか?」
「はい」
「違う!顔見知りなだけだから!」
「一緒に鍋食べませんか?」
「え、じゃあお言葉に甘えて…」
「甘えなくていい!!」
「あの名前は?」
「サツキ。…大学生」
「え!?あなたがサツキさん!?」
「ひまり興味持つな」
「くるしっ…秦〜!」
「あんた、さつきじゃなかったんだな」
「皐はひまりの彼氏だから」
「は!?ひな付き合ってんじゃねぇのかよ!」
「誰が付き合ってるって言ったのよ!?」
「…俺の勘違いかよ…」
「勝手に解釈してんな!」
「お姉ちゃん!サツキさんはお客さんなんだから!」
「…んで君がひまりちゃん?」
「はいっ」
「可愛いね〜」
「はっ//!?」
「真っ赤〜」
「触るな。」
「君たち付き合ってないんでしょ?」
だったらなんだよ。
付き合ってなかったら俺の自由とか?
――なわけねぇだろ。

