「ふぅん。ま、いいじゃん」
「…ひなさん…」
「大切にしてよ?つか大切にして」
「……はい」
「ふぅん。アイツより、ましね」
「アイツ?」
「こっちの話。」
アイツは誰も大切にする気なんてない。
――冷酷だもんなぁ、アイツ。
そんなところも好きとか思う自分がキモい。
「ひなさん」
「ん〜」
「ひなさんは素直になったら可愛いっすよ」
「は!?」
「いや、ひまりと似てるし笑ったら可愛いのは同じでしょ」
「な、口説いてんの?」
「まさか。ひなさん好きなヤツいるしょ?」
「っは!?」
「分かりやすいし。きっとソイツも好きっすよ」
「なに言ってんの!?」
「男は、不器用なんで」
「あたしだって不器用だっ」
「うん」
アイツがあたしを好き?
ないね、そんなの。
不器用だか器用だか知らないけど、それはない。
だってアイツは、あたしが“落ちない”から構うだけ。
落ちたら興味をなくして構わなくなる。
そんなあっさり切れる関係。
「じゃああたし大学戻るわ」
「じゃ、また〜」
あっさりしてんのは変わらないね、皐。
ひまりだけだよね〜。
いつも離れたくないって顔で名残惜しいように別れるの。
本当に見るだけで面白いし純愛だったわ〜。
「たっだいま〜」
「あれもうヤったの!?」
「うん」
「そ、そう。」
「なに〜」
「あっひな!会えた?」
「うん!やっぱりカッコよくなってたわ〜」
「え〜見てみたい!」
「ふふっ♪見る?」
「見る!」
「これ――……わぁ!?」
「サツキきゅんっっ!!」
きゅんってなんだ。
君だろう!?
ってまた引っ張られてるし。
「ちょっと〜」
「お前どこ行ってたんだよ」
「アンタに逐一言わないといけないわけ?」
「あぁ」
「そんな約束した覚えありませーん。よって言う必要性を感じないので言わな…」
「……あ?」
「脅しても言わないし。」
「俺がお前と付き合ってるって噂になってんだけど?」
「は!?なんで!?」
「知らねぇよ。お前がどっか行ったからじゃねぇの」
「えー、あたしは皐と会ってただけなんだけど」
「…さつき?」
「そ。見る?超カッコいいの」
ひまりの彼氏で嬉しいわぁ。
だって結婚したら、義弟になるんだし。

