「な、んでもないの…!」
「なんでもないなら、泣かないだろ?」
「……っ、本当に…」
「皐のことでしか泣かないくせに」
「秦、のことでも…泣いた…!!」
「あぁ。ひまりの可愛い勘違い、ね」
「……もうっ」
普通に聞けばカップルとしか思えない会話。
“皐”って名前だって女だって付けられてるし。
“可愛い”とか、さ…なんで簡単に言えんの?
俺は…言えねぇよ。
どうしたら、言えるんだよ…!
「あれ?皐くぅーん!!」
気づけば足は勝手に屋上から去っていた。
…なにが皐くぅーんだ。
どうせヤりたいんだろ?
自慢したいんだろ?
女の癖に下品なんだよ。
―――なんならヤってやろうか?
「皐くんっ」
「なに」
「保健室―……行きたいな?」
お前が首を傾げて上目遣いをしたって可愛くねぇし。
可愛くないって自覚あんのか?
可愛いとでも思ってんのか?
つか…俺に彼女いんの知ってるよな?
「……お前、わかってる?」
「え?」
「俺に彼女いること」
「うん。…咲元ひまりちゃんでしょ?」
「…あぁ。ならなんで」
「1番じゃなくても皐くんと繋がってたいなって」
それで“カラダの関係”?
……品の欠片すらねぇな。
要するにセフレだろ?
都合のいい女でいたいんだろ?
じゃあ、怖い思いさせてやるか?
「…ふぅん。じゃあさ、俺に反抗しないって約束守れる?」
「え…」
「皐。…やめときなよ」
「……翠。」
「君も、皐には手を出さないでくれないかな?」
「はっ、はい//!!」
女はバタバタと顔を真っ赤にして去っていった。
さすが、翠。
すぐ蹴散らしたなー。

