「おっはよー!ひまり!」
「おはよう、宇美。今日も元気だね?」
「うん!当たり前でしょ!」
「あ、そうだ!あのね…」
――グイッ……
「きゃっ…!」
「…はよ、ひまり」
あたしの耳元で聞こえる甘く低い声。
……落ち着ける、声。
あたしの体は彼の柑橘系の甘い香りに包まれた。
「さ、皐っ!?」
「…ん。」
「おはよう。…どうしたの?」
「んーひまり充電?」
「じゅ、充電!?」
「ひまり、約束覚えてるよな?」
「……委員会?」
「そ。…やろうな?」
「…っうん!」
あたしはその笑顔に弱い。
逆らえなくなる。
……約束、覚えてたんだ。
そんな些細な事でも幸せで、胸がキュンとする。
きっとあたしは、重症だ。
「ひまりー、ひなあれから大丈夫だった?」
「あっ秦!」
「…って皐が甘いな、今日は」
「…これから、だし?」
「へぇ。で、大丈夫だった?」
「うんっ!お姉ちゃん、今日は一段とおめかししてたんだぁ〜」
「じゃあ彼と今日はなんかあるんじゃ?」
「たぶんね。」
秦と話してるとギュッと強く抱き締めてくる。
……皐?
なんだか皐が苦しんでる気がした。
「皐…?」
「…ひまり、前向け」
「ん…?こう?」
「そ。秦、俺変わるから」
「やっとかよ。遅いんだよ」
「悪かったな。」
あたしをギュッと抱き締める皐。
まるで“離さない”って言ってるみたい。
どうしたんだろう…皐。
秦との会話も不可解だし。
……とにかくよくわかんないね。