「……ココア、飲むね」
「あっ、さっきの作りかけだったから俺作るよ」
「い、いいよ!お湯いれるだけでしょ?あたしにも出来るしさっ!」
「……ひまり?」
変に思わないよね?
普通、だったよね?
あたしは間違ってないよね?
少しでも2人っきりで居たいよね?
なら邪魔なあたしが行かなくちゃ。
一番、わかってるもん。
邪魔されるのがどれだけ辛くて苦しくて醜くなるか。
そんな自分を嫌いになるのも、わかってるから。
「……っおい、しくないよっ…」
「だろ?」
「っ!?」
「急いでキッチンに行ってさ。なんか俺、避けられてるみたいじゃん」
「…避けてなんか、ない…」
「さっきまでは普通だったのに」
“さっき”はきっとデートを指すんだろう。
だって仕方ないじゃない…。
秦の好きな人が…いや違うか。
彼女がお姉ちゃんだって知ってしまったんだもん。
知らなかったから、無邪気に遊べたよ。
楽しかったよ……でも知ったら?
どう接していいかわからないよ。
「お湯、淹れすぎ。だから俺やるって言っただろ?」
「ごめ…ん、なさい…」
「なぁなんでさっきから謝んの?」
「へ…?」
「なんか“ごめんなさい”とか他人行儀だし。」
「そんなつもりじゃ…」
「俺たち、そこまで他人じゃないだろ」
ねぇ、それはどういう意味なの?
“家族”になるって意味?
“お義兄ちゃん”になるって意味?
「…っわかん、ないよ…!」
「え?」
「それじゃあっ…!わかんないよ…っ!!」
「ひまり!?」
「ふぅ…ぇ…くっ…」
自分が一番、わからないけれど。
それもまた嫌で、小さい子供のように泣いた。

