「ひまりー?」

「…っなぁにー?」

「ドア、開けて?」

「な、んで?秦は、鍋食べてなよ」

「…俺、なんかした?」










違うんだよ、秦。

秦は、なにもしてないの。

あたしが…あたしがいけないの。

あたしの気持ちが、ダメなんだ。










「秦は、…なにもして、ないよ…」









震える声を精一杯隠して言った、つもりだった。











「泣くな」

「…っ泣いて、ない…!」

「俺の見えないとこで泣くな!」

「…ふぇ…うぅ…」









…そんなこと言わないでよ。

扉を開けてしまいたくなる。





ズルいんだ、あたしの大切な人達は。