ひまりの気持ちが秦に傾いてきてることに焦りを感じた。
今もひまりが秦のことで泣いてるなんて皐は知らない。
「辛い、か…」
「なにがだよ」
「……翠」
「なに、また機嫌悪いわけ?迎えに行けたのに?」
「…行かなきゃ良かったかも」
「また無理やりキスでもした?」
「…っ!」
「図星かよ。…お前は本能に従い過ぎなんだよ」
「しゃーねーじゃん」
気に食わなかったんだよ。
秦とのお揃いつけちゃってそればっか見て笑いやがってさ。
……そんなんイラつくじゃん。
ましてやひまりを好きな男だし。
まぁ秦だから多少は我慢してやるよ。
はずせ、って言ったけど。
捨てろって言わなかったんだからいい方じゃん。
「ひまりちゃんもそろそろ皐離れ?」
「なに親離れみたいな感じに言ってんだよ」
「まぁ皐と言う鎖から抜け出て行くわけだ」
「なにその俺が縛り付けてるみたいな」
「そーじゃねーの?」
「ちげーよ、多分」
「多分じゃねぇかよ」
もしかしたら縛り付けてるかも知れねぇ。
でも……ひまりが“別れて”って言うまで俺は彼氏でいたい。
鎖で縛り付けていたいよ。
甘い、鎖で。

