「離してっ!帰ってくれて結構ですから!」
あたしの腕を掴むタイキ先生。
……離してよ。
離してくれないとあたしが困る。
だって…タイキ先生指輪してるんだもん。
その手で、あたしに触れないでほしい。
―――グイッ……
「きゃ…!?ちょっ…タイキ先生!?」
「いいから、静かに抱き締められてろよ」
先生の香りに包まれる。
暖かくてでも泣きたくなって。
初めて聞いた乱暴な口調にもドキッとして。
ねぇ先生。
どうして、抱き締めるんですか。
「…やぁっ…!」
「なんで、泣くんだよ」
「離してっ」
「黙れよ、まり」
「……っ///」
「キス、しよ?」
「タ、イキ…先生…?」
「さっきだって自分からしてたし、ね?」
「見てっ…//!?」
「……チッ。」
「んんっ……//!?」
なんで、キスするの?
ねぇなんで、抱き締めるの?
教えてよ、タイキ先生。
あたしには、わからないよ。
「…ぷはぁ……」
「あー……壊れんだろ」
「……え?」
「何に怒ってたかわかんねぇけど…」
「べ、別に怒ってたわ…」
「好きだよ、まり」
「へ…?」
優しくあたしを抱き締めて、
甘くあたしの耳元で囁くタイキ先生。
す、き……?
「まり、耳真っ赤…」
「ま、また冗談…」
「本気だよ。…まりを好きになった。さっきのも冗談じゃねぇ」
「…タイキ先生…?」
「お前が困ってそうだから冗談って言ったんだ」
「…タイキ…せんせ…」
「返事、は?」
「…好きですっ…あたしも…」
「調子がいいな、お前は」
「え?」
「皐とキス、してた癖に」
「……それ、ヤキモチ?」
「わりぃーかよ」
あたしを抱き締める腕を強くする。
……タイキ先生。
あたしね、皐も好きだったんだよ。
でもねそれよりも今、タイキ先生にハマりそう。
好きすぎて、しまいそう。

