一途な彼女×浮気な彼氏


「……ふっ…」

「あれ、山田先生?」

「く、栗須先生…!」

「なんか泣いてなんかありました?」

「いやその……ゴミが…」

「大丈夫ですか?俺も手伝いますよ」

「……栗須先生…」

「2週間て長いようで短いですよ?うちの奴らはみんな問題児みたいなもんだし」









栗須先生は皐たちの担任。

…みんなたいちゃんって親しまれてる。

“たいちゃん”てあだ名はきっと名前からの由来。

栗須タイキっていう。









「山田先生?」

「あっ…ごめんなさい!」

「いやいや。…皐とは仲良くやれそうですか?」

「えっ…?」

「皐と幼なじみだって聞いたんで」

「…仲良く、やれないかもしれません」

「ははっ…そうですかー」

「そういえば栗須先生はおいくつで?」

「何歳に見えますか?」










クスッと大人っぽく笑う栗須先生。

栗須先生もイケメンさんでこれまた先生からも生徒からも人気だ。


黒ぶち眼鏡がすごく似合ってる。

見惚れてしまうほど。










「2…2才?」

「そんな若く見えます?」

「はいっ…」

「それは嬉しいな。」

「…本当は?」

「24です」

「えぇっ!?見えませんよ!」

「そうですか?山田先生は?」

「…19です」

「じゃあ5個違い」

「…ですね」








全然24歳には見えない。

……あたしと5個も違うなんて思えない。









「山田先生」

「はい?」

「生徒に恋するのはダメだって言いますよね」

「…はい」

「でもそんなの無理じゃないですか」

「え…?」

「だって俺、恋しちゃってるし」

「栗須…先生?」

「山田まり。」

「…はい」

「君が高校生のとき、俺君の学校の先生でした」

「えっ……」

「覚えてないかもしれないけど」

「…本当に…タイキ先生ですか…?」

「はい」

「……っやっぱり…」









なんとなく栗須先生がタイキ先生に似ていたような気がしていた。


……あたしの高校時代の先生。

あたしたちの卒業と一緒に別の学校に行って。









「この学校に…?」

「そう。」

「…タイキ先生…なんだ…」

「俺、山田が好きなんだ」

「…っ…」

「なーんちゃって☆」

「……へ?」









ペロッと舌を出すタイキ先生。


なーんちゃって?

…あたし、本気にしちゃってた。









「沈んでたから冗談かましてみた。」

「…冗談…」

「そ。俺は、巨乳…」

「タイキ先生ってば…ド変態!!」

「え、ちょ…山田!?」









ちょっとドキッとしたのがバカみたい。


タイキ先生なら皐を忘れられるかもなんて思っちゃって…。

あたし1人で舞い上がって…バカじゃんっ。