あたしは山田まり。
19才の、大学生。
まぁ美人な方。
「皐、この書類」
「…あ、こっちか。わりぃな」
「っううん」
あたしは皐の幼なじみで元カノ。
あたしだってそこそこ恋愛してきた。
でも、皐を忘れられなかった。
今だってちょっと手が触れただけなのにドキドキする。
……あたしは中学生かってね。
「皐、変わったよね」
「……そうか?」
「うん。前よりずっとカッコよくなった!」
「まじか。…サンキュー」
「……っ//」
笑うと見える八重歯が可愛いしカッコいい。
昔より全然大きくなった身長に、手。
昔から変わらない小さい顔に整ってるパーツ。
声も低くなったし。
……本当にもっとカッコよくなっちゃった。
「ねぇ彼女の写メとかないの?」
「……見てぇの?」
「うん、学校で1番モテるらしいし」
「これ」
「……っわ可愛い…って寝顔じゃん!!」
「つい撮っちまってさ」
「…でも、可愛い。」
皐の彼女は、あたしが想像してたよりも倍は可愛くて。
こんな子いるんだって思った。
皐も小顔なのに皐よりの小顔。
白い肌に薄い柔らかそうな唇。
桜色の頬に長い睫毛。
ハニーブラウン色柔らかそうなの髪。
「かわいすぎるっ…」
「だろ?…ほっとかねーよな、こんなやつ」
「当たり前でしょ」
「無防備に寝やがってさ」
「………うん。」
皐はこの子の話をする時、無意識だろうなぁ。
優しく幸せそうに微笑む。
――あたしじゃ絶対勝てない。
そう、思わせる。
「あ、やべ。」
「どうかした?」
「ひまり、迎えに行かねぇと」
「…っそう。」
「悪いけど行っていいか?」
「………」
ここで“行かないで”って言ったら皐は居てくれる?
あたしを選んでくれる?
「……いいよっ、行ってらっしゃい!」
「サンキュー!」
きっと優しい皐は居てくれる。
でもそれは皐を不幸にする。
皐から笑顔がなくなる。
笑いかけてもらえないかもしれない。
――その方が、嫌だ。

