――ガラッ……
「失礼しまーす。」
「あ、来てくれたんだ?」
「あー…頼まれたし。」
言われた通り来た俺。
偉すぎて泣きてーよ。
ケータイは持ってるしオッケーだろ。
「本当に誠実というか忠実っていうかね。」
「…で、手伝いは?」
「段ボール片付けるの手伝って?」
「これね」
「そう。」
2つある段ボールの中身を整理する。
……手伝いいらなくね?
俺だったら逆に邪魔なんだけど。
「ねぇ今この学校で1番モテてるんだって?」
「……しらねー」
「王子様なんだってね」
「周りが言ってるだけ。」
「好きな子いるの?」
「さぁ」
「…噂で聞いちゃったし」
「じゃあ聞くなよ」
「その子も学校で1番モテてるんだって?」
「あぁ。でも無自覚天然鈍感で困る」
「あらー男子にはドストライクな子じゃん。」
「俺だけでいいんだっつの」
「……皐ってそんな甘かったっけ…?」
「んー……変わったんだよ、アイツのせいで」
ひまり事になると俺が俺でなくなる。
すんげー甘いと我ながら思う。
こんなこと人に言ったことなかったし。
「そっかぁ。」
「…一つ終わったから、帰る?」
「まだ、書類整理して」
「?……おう。」
「………皐、浮気してるんだって?」
「わけあってな。」
「…寝て、来たの?」
「寝ねーよ。…寝るのは彼女だけ。」
「本当にその子皐に愛されてるのね」
「……まぁ、な…」
「いいなぁ。…壊したくなっちゃう」
「え?なに?」
「ううん。…でも彼女ともうまくいってないんでしょ?」
「…んなことねーよ。」
うまくいってない。
けどそれを認めたくない。
――認めたら、全て壊れると思うから。
俺、自身も。

