「…秦」

「ん?」

「ごめんね」

「……?」

「イルカショー楽しみだねっ」

「あ、あぁ。」








なんかダメだなぁ、あたし。

中途半端だ。

…このままじゃいけないのに。







――ブーブー…



「宇美かな?」

「メール返しとけよー」

「うん。…って…!?」

「はぐれたら困るし、デートだし、手は繋がないと」

「なななっ…//!?」

「いーから、メール」







そうだけど手がぁ…。

意識がそっちにいっちゃうよ…。

っとメール、メール!




―――――


おい、電話無視すんな。
てかデート終わったら迎えに行く。


from 皐。


―――――




…えぇっ!?

皐が!?



――――――


ありがとう!(*^^*)

終わったらメールするね!

from ひまり


――――――




今日は浮気、してないんだなぁ。

…こんな些細なことで安心するあたしってどうなんだろう。

変、だよね。








「…ひまり」

「っ、うん?」

「なんでまた泣きそうな顔、してんの?」

「……っ」







本当になんで秦にはバレちゃうかな。

……皐は気付いてくれないのに。

わかってるんだよ?

秦と皐を比べちゃいけないことくらい。

2人とも全然違うし。

でも、どうしても秦のように優しくしてもらいたいの。

だから、いろいろ比べてしまうんだ。


――皐があたしを愛してくれないことくらいわかっているけど。