「ねーご飯食べよ?2時までまだ時間あるし」
「んじゃ、店入るか」
「うんっ!」
ずっとこの笑顔を独り占めできればいいのに。
それができないのが現実。
――ひまりの視線は皐意外を捉えることはない。
「秦ーなに食べる?」
「俺は、ドリアかな」
「うーん…」
「ひまりは、オムライスだろ?」
「えっ…?」
「ひまりオムライス好きじゃん。」
「よく知ってるね…」
「そりゃ見てたし。」
「……っ、秦はズルいよ…」
「ちょ…どうした?」
急に泣き出すひまり。
「なんでっ…秦なんだろう…」
「え?」
「皐は…なにも知らないのに…」
「…っひまり…」
「秦はズルいよ…ずるいっ…」
ひまりのずるいは俺を苦しめた。
まるで“知らないでいて”と言われてるようで。
皐より知っていないで、と。
…でもそんなの仕方ねぇじゃん。
俺は、ひまりが好きで見ていたんだから。
好きで仕方ねぇんだよ。
――気づけよ、頼むから。
俺から告えねぇから。
皐を裏切りたくねぇ。
でもひまりを好きになったとき、もうすでに俺は皐を裏切ってるんだ。
「……泣くなよ」
「……ッ」
「言っただろ。」
「………っ?」
「今だけは俺を見ろ。俺のこと意外考えるな」
「…っし、ん…」
「わかった?」
「…う、ん…」
今だけ何も考えるな。
こんなときまで苦しまなくていい。
俺といるときくらい楽しめ。
解放、されろよ。

