「秦、どこいくの?」

「んー水族館?」

「うんっ!!水族館、だいすきなのっ」

「ん、知ってる」

「…っ///!」







そう言って優しく微笑んだ秦がかっこよくて、大人っぽくて。


なんだか手の届かない人に思えてきた。

……なんだか切なくなった。








「ひまり?」

「秦、遠くに行く?」

「行かねぇよ?ひまりは何の心配してんだか」

「…だよね!」

「つか、俺がひまりの側離れるわけねぇじゃん」

「……っ…」







秦の何気ないセリフ。

なにも考えずに言ったんだろうけど、あたしの胸には響いて。

ドキンと、胸が高鳴った。

秦といると胸が疲れる。

秦の何気ないセリフがあたしの胸をキュンとさせるから。








「秦ってば、紳士なの?」

「は?…そんなん知らねぇよ」

「あたしはそう思わない」

「ふぅん?まぁそう思われといた方が楽だわ」

「…っ//!また!」

「は?」

「な、なんでもないっ…」







あたしは秦を紳士だなんて思えない。

だってズルいんだもん、秦。

さっきだってあの笑顔。

本当にやだ…まだドキドキいってる。

……もうっ。

ワケわかんないよ。







「よし行くぞ!」

「うん♪」

「…って、金払うな」

「え?なんで!?」

「あ、ひまりが考えてる理由じゃねぇからな」

「……うん?」

「俺が出すから払うな。わかったな?」

「え、でも…」

「デートだし」

「悪いよ…。秦の好きな人に見られたら」

「いや、もうガッツリ見られてるから」

「うそっ!?ごめんね!」

「……はぁ。鈍感」

「え?なに?」

「なんでもー」








あ、そう言えば…秦の好きな人知らない。

協力できない…!

いつもお世話になってるのに。