教室に戻ると2席だけ空いていた。
――秦と、ひまりか。
ひまりがいない、教室。
ひまりがいない、今日。
そんな場所に俺は居たくない。
一刻も早くひまりに会いてぇよ。
「はぁ…」
「坂元」
「…あ、トイレ行ってました」
「…早く席につけ」
「あーはい。」
隣にひまりはいない。
――ダメだな、落ち着かねぇよ。
なんでだろうな…。
ひまりだけは……俺が初めて譲りたくないって思う奴なんだ。
本気で愛してる女なんだよ。
「皐、ノート見して」
「…わり、ノート書かねぇんだよな」
「はっ!?」
「知らなかったのかよ?皐はノートとらねぇ人だけど」
「翠がしってるからあたしが知ってて当たり前みたいなのやめてよ」
喧嘩するけど一緒にいる。
これが本来あるべきカップルの姿。
いつも勝手に妬いて勝手に突き放して。
いつも俺から一方的にしてるだけ。
いつもひまりの意見なんか聞かなかった。
キスをして、誤魔化していた。

