「ちょっと秦!!なにこいつ!!」
「こいつとか言うなよ、宇美」
「……なぁお前ってなんなわけ?」
次は秦なわけ?…なぁ。
いい加減見ろよ。
なんで見てくんねーんだよ。
だから嫌なんだ。
…幼なじみっていう関係は。
なんでなんだよ…近いはずだった。
遠いじゃねぇかよ。
何が幼なじみがいいだ。
よくねーよ。
「なんなわけもこんなわけもないわよ!!」
「帰る。」
「はっ!?ちょっと待ちなさいよ!今日あたしアンタん家…!」
「じゃあお前も帰ればいーじゃん。」
「…っなんなのよぉ…」
「う、宇美…?」
「なんで…冷たいのっ…」
「宇美が泣いてるーー!?」
「うるせーぞ、秦」
宇美だって泣くだろ。
…ひまりちゃんよりも泣き虫じゃないが宇美だって泣き虫だ。
ちっせー頃からいると色々わかんだよな。
……今は知らないことの方が多いかも知れねぇけど。
「……帰んぞ、宇美」
「ばーかばーか…」
「じゃあ秦、俺ら帰るわ」
「はぁあ!?学校は!?」
「急に宇美が倒れたから家に送る。隣の家だし宇美ん家今日親いないから看病します。って言っとけ」
「いや、それで騙されねぇだろ…」
「バカか。俺が言うんだから騙されるに決まってんだろ」
「…アイツは騙されないと思うけど」
「あのくそブスはどーでもいい」
俺はそれよりも今宇美をたっぷり甘やかしてやんないといけねぇんだ。
宇美が泣いた=我慢の限界なんでね。
こういうときだけは幼なじみで良かったと思う。