『あーあ、もう家か』 少しだけ寂しそうな美琴の目が俺を捉えた。 ドクンと音をたてた心臓。 少し息苦しさを覚えるほど真っ直ぐな、その視線に耐えきれず俺はすぐに目をそらした。 平常心…平常心。 「何言ってんだよ、明日も会えるだろ?」 これは美琴に言ったのか、自己暗示か。 『そう、だね…』 納得したのか、していないのか。 いや、無理矢理納得しようとしてるのか。 曖昧な返事が返ってきた。