「さーて…」 あたしは、襖を開けて部屋を出た。 そして、 さっきの匂いの元を辿る。 幸い、もう夜になっていて、 この桝屋にいる他の人間も寝静まっているため、建物内の移動はとても簡単だった 暗がりの中、 匂いだけを頼りに辿り着いたのは、 建物の一番奥にあった、 怪しげな蔵だった。