あたしがジッと暗闇を睨んでいると、 そこから一人、人が歩いてきた。 そいつは… 「…陰陽師」 沖田に聞こえないように呟いた。 「おや、気付かれましたか」 ニコッと笑ったそいつは、 40代くらいの中年男。 沖田が気づかなかったのは、 この男が放っている気配が妖気だからだ。 人間じゃあ、そうそう気づかない。