ほんとは優しい私のオオカミ ①




少しずつ、映像が切り替わる。





次に見たのは少し背が伸びた私。



小学5年生くらいだろうか。






いつも通りの登校。

待ち合わせの公園前。

いつも通りに男の子は立っている。






【おはよう瑠奈】


瑠奈「おはよう!…はい、これ。」





いつもと違うのは、少し照れながら何かを渡す私。





【あ……。僕に?いいの?】


瑠奈「うん!みんなには秘密だよ?」


【嬉しい…。開けていい?】




私は笑顔で頷く。


本当に嬉しそうにする男の子。


そうっと中身を開けると、手作りのチョコレートと可愛いウサギのキーホルダー。





瑠奈「…男の子にウサギってなんだか変かなって思ったんだけど可愛いかったから…」


【ううん。すごく嬉しい…一生大事にする】






胸に大切そうにキーホルダーを抱くと男の子は微笑む。





私は彼にウサギのキーホルダーをあげた。


この日はバレンタインデーだった…。