「にしても、全然人の姿が見えませんね」 こんなに遊具が充実してるのに子どもの姿も見えないなんて…。 不思議に思って首を傾げていると、 「あぁ…実はここ昔、ちょっと誘拐事件が起きそうになった場所らしくて…子どもは、あんまり来ないんだよ。まぁ、時々、親子連れなんかは見かけるけど。」 誘拐…事件? その言葉に背筋がゾクリと冷えた。 ドクン 「…それ、いつ頃のことなんですか?」 ドクン、ドクン 心臓が早鐘を打つ。 「…ん~と、確かもう十年以上前の話らしいけど…」