好きだなんて言わなければよかった【完】



確かに、小夜子の言う通り、そのほうがいいかもしれない。



ずっと、つらい片思いを続けているよりは…。



自分がいくら、思っていたとしても、相手からそれが返ってくる保証は、どこにもないんだから…。



でも、だからって、今、慎也さんと付き合ったら…真生くんを忘れるために、利用することにるのは目に見えている。




…いくら、慎也さんが気になりはじめているとしても、まだ真生くんのことを忘れたわけじゃないのに…そんなこと…。




「…利用してよ」



「…え?」