「そっか…弟か」 ホッとしたような表情を浮かべ、慎也さんが私に笑いかける。 ドキッ あまりにも、無防備な顔で笑う慎也さんに思わず、胸が高鳴った。 …っ、ホントに…慎也さん、綺麗な顔… 王子様って、こういう顔の人のこと言うんだろうな…、性格は、全然、王子っぽくないけど。 「慎也さんって…なんか、残念ですよね」 「え!?な、なにそれ、紗綾ちゃん、どういう意味!?」 「…そのまんまの意味です」 「さ、紗綾ちゃん…なんか冷たい…」 それにしても、さっきまでの沈黙が嘘のように会話が続く。