その瞬を殺し掛けるって、
相当な腕前なんじゃないだろうか。
「それで、これから そのスパイを
尋問しに行くんだって。
刹那も来て欲しいって。」
日里の言葉に頷く。
あたしの父親は、
この最果ての刑務所の所長。
あたしを産んで直ぐ亡くなった
母さんの代わりに、
男手1つで育ててくれた、
あたしの大切な家族。
父さんの為なら何でも するって、
あたしは決めてる。
日里と話している内に、
所長室に着いた。
「失礼します。」
日里がドアを開ける。
中には既に、瞬と彼の父親が居た。
「来たか、刹那。
日里から話は聞いてるな?」
「うん。」
あたしが頷くと、
父さんは所長室を出て歩き始めた。
あたし達は その後に続く。
そうして あたしは。
――彼と、出逢ったんだ。


