今度は絹糸を非難し始めた。
絹糸はカリカリと後ろ足で頭を掻きながら、平然と聞き流している。
馬の耳ならぬ、猫の耳に念仏だ。
「当主様が誤った判断をなされた時に、お諌めするべきだろう!」
「なんのために側仕えをしているのだお前は!」
「役に立たん猫だ! 天内の娘もまったく頼りにならん!」
な・・・なによ!?
今度はあたしにまで八つ当たり!?
そりゃ自分でも頼りになる護衛係だとは言えないけど!
少なくとも、娘の嫁入り以外は頭真っ白なバカオヤジ軍団よりかはマシよ!
染めろ! その頭を! 中まで!
「側仕えがこれでは安心できん」
「まったくだ。やはり猫も天内の娘も当主様から離すべきだ」
「我々の中から、もっと優秀で頼れる者をお付けするべきだ」
「そして一刻も早く奥方を決めていただかなくては」
・・・ちょっと! とどのつまり、またその展開か!
嫁入りと子作り以外に関心無いわけ!? あんたらは! このスケベ!
そんなに優先事項なら、自分で上げろ! 門川の出生率を!
つい、下から睨み上げるような目でオヤジ軍団を見てしまった。
オヤジ達は蔑むような目であたしを見返す。
「なんという目付きをする娘だ」
「こんな娘がお側にいては、当主様に良いわけがない」
「そうだ、なんと言ってもこの娘は・・・」
一呼吸置いて、ハッキリと区切るように言い放つ。
「大罪人の血を引く娘だからな」
――ズキ―――ン!!
あたしの心臓が矢で射抜かれたように激しく痛んだ。
絹糸はカリカリと後ろ足で頭を掻きながら、平然と聞き流している。
馬の耳ならぬ、猫の耳に念仏だ。
「当主様が誤った判断をなされた時に、お諌めするべきだろう!」
「なんのために側仕えをしているのだお前は!」
「役に立たん猫だ! 天内の娘もまったく頼りにならん!」
な・・・なによ!?
今度はあたしにまで八つ当たり!?
そりゃ自分でも頼りになる護衛係だとは言えないけど!
少なくとも、娘の嫁入り以外は頭真っ白なバカオヤジ軍団よりかはマシよ!
染めろ! その頭を! 中まで!
「側仕えがこれでは安心できん」
「まったくだ。やはり猫も天内の娘も当主様から離すべきだ」
「我々の中から、もっと優秀で頼れる者をお付けするべきだ」
「そして一刻も早く奥方を決めていただかなくては」
・・・ちょっと! とどのつまり、またその展開か!
嫁入りと子作り以外に関心無いわけ!? あんたらは! このスケベ!
そんなに優先事項なら、自分で上げろ! 門川の出生率を!
つい、下から睨み上げるような目でオヤジ軍団を見てしまった。
オヤジ達は蔑むような目であたしを見返す。
「なんという目付きをする娘だ」
「こんな娘がお側にいては、当主様に良いわけがない」
「そうだ、なんと言ってもこの娘は・・・」
一呼吸置いて、ハッキリと区切るように言い放つ。
「大罪人の血を引く娘だからな」
――ズキ―――ン!!
あたしの心臓が矢で射抜かれたように激しく痛んだ。


