真っ黒な燕尾服。
真っ黒なアスコットタイ。
対照的に真っ白な手袋。
執事スタイルの美貌の青年が、すうっと伸びた綺麗な姿勢でこちらに歩いてくる。
「あ――! セバスチャンさん!」
「お久しぶりでございます。皆様」
きゃあっ!と黄色い声がした。
何事?と見ると、乙女会が袖や扇で顔を隠してキャアキャア騒いでる。
・・・あぁ、セバスチャンさんを見て騒いでるのか。
「こ、これはセバスチャン殿!」
「塔子様。ごぶさたをいたしております」
「お元気そうですね。おほほ・・・」
あたし達と話していた時より、2オクターブくらい高い声で塔子さんが笑った。
立方体状態で浮き上がっていた青筋も、すっかり引っ込んでる。
「ジュエル様就任の際は、お父上様に格別のご配慮を頂戴し、お礼の言葉もございません」
「当然です! 我が一族と権田原一族は、深く固い絆で結ばれているのですから!」
・・・いつ結んだのよそんなもん。
お岩さんが隣でボソッと呟いた。
「そ、それでは私ども乙女会は、これでおいとま致します」
「そう? ごきげんよう塔子さん」
「それでは・・・おほほほ・・・」
チラチラっと視線をセバスチャンさんに投げつつ、しなしなと乙女会は去って行く。
・・・全っっ然、態度が違う。さっきまでとは。
同じ姿かたちでも別人みたい。脱皮でもしたのかしら?
どっかに皮が落ちてない? 皮。
ヘビ皮って財布に入れとくとお金が溜まるって、昔ばー様が言ってたっけ。
真っ黒なアスコットタイ。
対照的に真っ白な手袋。
執事スタイルの美貌の青年が、すうっと伸びた綺麗な姿勢でこちらに歩いてくる。
「あ――! セバスチャンさん!」
「お久しぶりでございます。皆様」
きゃあっ!と黄色い声がした。
何事?と見ると、乙女会が袖や扇で顔を隠してキャアキャア騒いでる。
・・・あぁ、セバスチャンさんを見て騒いでるのか。
「こ、これはセバスチャン殿!」
「塔子様。ごぶさたをいたしております」
「お元気そうですね。おほほ・・・」
あたし達と話していた時より、2オクターブくらい高い声で塔子さんが笑った。
立方体状態で浮き上がっていた青筋も、すっかり引っ込んでる。
「ジュエル様就任の際は、お父上様に格別のご配慮を頂戴し、お礼の言葉もございません」
「当然です! 我が一族と権田原一族は、深く固い絆で結ばれているのですから!」
・・・いつ結んだのよそんなもん。
お岩さんが隣でボソッと呟いた。
「そ、それでは私ども乙女会は、これでおいとま致します」
「そう? ごきげんよう塔子さん」
「それでは・・・おほほほ・・・」
チラチラっと視線をセバスチャンさんに投げつつ、しなしなと乙女会は去って行く。
・・・全っっ然、態度が違う。さっきまでとは。
同じ姿かたちでも別人みたい。脱皮でもしたのかしら?
どっかに皮が落ちてない? 皮。
ヘビ皮って財布に入れとくとお金が溜まるって、昔ばー様が言ってたっけ。


