「当然じゃ。人も人生も、面白くはあるが単純なものではない」
「そこに罪と償いが絡んでくれば、複雑さが増すのも当たり前だよ」
・・・・・だね。
絹糸と門川君の言葉にあたしは頷いた。
複雑だからこそ、事情を知るって事は大切な事だよ。
知るのと知らないのとでは天と地ほどの差があるもん。
「知らない方がいい」事も、世の中にはあるのかもしれない。
でも「知って」損することってあるのかな?
場合によっては余計に辛い思いをする事もあるかもしれないけど。
でもそれって「損」なこと??
知るべき事をしらないままでは、許しも救いも得られない。
その方がよっぽど損な気がする。
「なんにせよ、凍雨君と塔子殿の所業を許すことができるのは天内君だけだ」
門川君の黒髪がふわりと風に靡いている。
「許しも救いも、天内君のもの。君が救われたと言うならそれでいい」
「門川君・・・」
「そもそも僕の出る幕など、本来どこにもないんだよ」
「ふむ。そこを勘違いしてしまっては、また過ちの元になるからのぉ」
許しも救いも、あたしのもの。
傷を受けた当人だけが得ることも与えることもできる。
本来ならそれが一番真っ当な形なんだろう。
ただ、どうしても罪や悲しみは周囲に拡散していくものだから・・・。
「ん? これはなんじゃ?」
不意に絹糸が鼻をひくつかせ、怪訝そうな声を出した。
「どうかしたの?」
「いや、これは・・・この気配は・・・」
途端に絹糸の背中に緊張が走った。
しま子が静かに唸り出し、あたしを守るように肩に手を回す。
しま子? どしたの?
「天内君、気を引き締めろ」
「門川君までどうしたの?」
「異形のモノの大群だ」
「そこに罪と償いが絡んでくれば、複雑さが増すのも当たり前だよ」
・・・・・だね。
絹糸と門川君の言葉にあたしは頷いた。
複雑だからこそ、事情を知るって事は大切な事だよ。
知るのと知らないのとでは天と地ほどの差があるもん。
「知らない方がいい」事も、世の中にはあるのかもしれない。
でも「知って」損することってあるのかな?
場合によっては余計に辛い思いをする事もあるかもしれないけど。
でもそれって「損」なこと??
知るべき事をしらないままでは、許しも救いも得られない。
その方がよっぽど損な気がする。
「なんにせよ、凍雨君と塔子殿の所業を許すことができるのは天内君だけだ」
門川君の黒髪がふわりと風に靡いている。
「許しも救いも、天内君のもの。君が救われたと言うならそれでいい」
「門川君・・・」
「そもそも僕の出る幕など、本来どこにもないんだよ」
「ふむ。そこを勘違いしてしまっては、また過ちの元になるからのぉ」
許しも救いも、あたしのもの。
傷を受けた当人だけが得ることも与えることもできる。
本来ならそれが一番真っ当な形なんだろう。
ただ、どうしても罪や悲しみは周囲に拡散していくものだから・・・。
「ん? これはなんじゃ?」
不意に絹糸が鼻をひくつかせ、怪訝そうな声を出した。
「どうかしたの?」
「いや、これは・・・この気配は・・・」
途端に絹糸の背中に緊張が走った。
しま子が静かに唸り出し、あたしを守るように肩に手を回す。
しま子? どしたの?
「天内君、気を引き締めろ」
「門川君までどうしたの?」
「異形のモノの大群だ」


