校歌が終わると、ベンチ入りした選手がこちらに向かって走って来た。



「ありがとうございました!」



帽子をとって、一斉に頭を下げる選手たち。


応援席からは、温かい拍手が沸き起こる。


梅里商業の歓声よりも、大きな拍手が。


私も力いっぱいたたいた。


本当によく頑張ったよ……。



くるみは涙をぬぐいながら、ベンチへ入った。


後片付けをして、次の高校に早く譲らなければならない。


涌井君は帽子を深くかぶって、全く表情を見せなかった。



「……いい試合だった。うん、よく頑張った……」


「そうだね……。本当に玲奈ちゃん、今までお疲れ様……」



泣きながら、玲奈ちゃんと涼子ちゃんが抱き合っている。