ただこれだけの仕草に、何を反応したのか……。



『四葉台、誰が投げたと思ってんのよー?』



涼子ちゃんのこの言葉には、綾美ちゃんに対して、特別な意味がこめられていたに違いない。


そうじゃなきゃ、綾美ちゃんは恥ずかしそうな顔でうなずく事なんてないだろう。


涼子ちゃんが涌井君と同じ中学だったのなら、涼子ちゃんの中学の時の同級生だったという綾美ちゃんだって、当然、涌井君と同じ中学出身。



考えたくないけど、もしかして……?



「……あ、涌井君出て来た」



冷汗が出てくるのがわかった。


涼子ちゃんが、涌井君の姿を見つけると、綾美ちゃんが反応してそちらを向いた。