***



「心開いてくれたんだ」


それから数日後、私はまたあの中庭で祐樹と話していた。


「うん。一緒に息子さんの話をしているときは、すごく調子がいいの」

「それは良かったな」

「祐樹のおかげ。ありがとう」

「俺は別になにも……」

「話聞いてるとね、息子さん、すごく素敵な人みたいなんだ」

「へー」


祐樹も嬉しそうだった。

相づちを打ちながら、目を細める。


「背が高くてイケメンなんだって!」

「目がハートになってるぞ。琴羽ってイケメンが好きなのか?」

「え?嫌いな人はいないと思うよ。そうそう、私、息子さんのお嫁さん候補にまでされちゃったんだから」


得意になってそう自慢すると、


「……」


突然黙り込む、祐樹。