唇が、覚えてるから


「だから、あの合コンを企画したの、実は俺……。みんなも賛同してくれて、哲平に桜杜の子に声かけてもらって、病院で実習中の子を連れてきてもらうように頼んだんだ」


すぐ脇には、同じように肩を落としているあの時のメンバーがいた。

哲平君や智久君たち…。


「そう……だったの……」


白々しいほどまでのハイテンション。

みんな無理して明るく振る舞って。

だから、祐樹の話になった途端、空気が変わったんだ。


「とにかくすごく笑顔が可愛い子。それだけが祐樹から聞いた彼女の情報。でも俺、ピンと来たんだ」

「ピン……と?」

「うん。カラオケ屋で琴羽ちゃんが満面の笑顔を見せた時。
もしかして、この子が……って。俺、祐樹と長い付き合いだから分かるんだ、祐樹がどんな子を好きになるか……」

「……」