唇が、覚えてるから


「この間もあんな騒ぎを起こして、実習生の分際でどういうつもりなのっ!自分のしてることが分かってるの!?」


また別の看護師が、きつく私の腕をつかんだ。


……っ。

違うっ……。

私は……。


「実習生として来てるんじゃありませんっ!」


叫ぶ声に、凍りつく病室。

それでも私はやめなかった。


「私は……私は今、祐樹の彼女としてここにいるんですっ!」


看護師さんの目をキッと見据えた。

泣かないように、声が震えないように。


「……見届けたっていいじゃないっ……!」


だって……


「そばにいたっていいじゃないっ……」


口になんてしたくない。

認めたくなんかない。


……だけど……っ。


「……これが……最後ならっ……っ…」