唇が、覚えてるから


「俺ってかなりの雨男だから、どうなることかと思ったけど」


空気をいっぱい吸い込むように、祐樹は両手を広げた。


「どれくらい雨男?」

「ここ2、3年では、入試、卒業式、入学式、修学旅行、体育祭……」

「…もういいよ。今日の雨は祐樹のせいだって分かったから」


そんなに雨にあたる人、見たことない。

今日の雨も間違いなく祐樹だ。


「そうなる予感がしたから、前もって昨日テルテル坊主作ったんだぜ?」

「ほんとに?随分いい心掛けだこと」

「見ろ!おかげでこの快晴!」


祐樹が指をさした先。

そこには。

見事に青空が広がっていた。