成介に聞くと、学生生活は知らないというし、屋敷のことは祖父じゃないかという。 涼は自分の執務室を見回す。 ここのことは覚えている。 今度、アメリカに行ってみよう。 特に手術前の数ヶ月の記憶が怪しい。 住んでいたアパルトマンに行けば何か思い出すか。 留学先や、社長職を継ぐ前に最後の羽伸ばしに転々と旅行していたという各地も。