気にかかっている点はいくつかあるが、自分で出来る可能な限りは完璧だ。 だから日本にいる涼は健やかに、自分がいない世界を生きているはずだ。 晴れ晴れと心軽やかに。 装飾過剰の陶器製の置時計が、チンチンと鈴を振るわせて時間を告げた。 さあて、行こう。 出勤の時間だ。 綺樹はトレンチコートを取り上げた。