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自宅の書斎の机の中からポラロイド写真をみつけた。
「暁子」
自然に名前が口から出た。
水が湧き出るように、記憶が戻る。
プロポーズをした相手。
断られたが。
懐かしい。
涼は口元がほころぶのを感じた。
また一つ、あぶくが弾けるように記憶が蘇る。
いや、でもあの後、NYで会っている。
ホテルのロビーのようなところで。
追いかけたのだろうか。
諦めきれなくて。
でも自分の中の感覚では、いい思い出になっている。
訳がわからなくて、涼は少し眉根を寄せた。
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