The side of Paradise ”最後に奪う者”


会議はまだ終わらないのか。

会議といっても、単なる最終確認のみだったはず。


「成介」


綺樹はにやっと笑うと、成介はその意味を察する前に壁へと突き飛ばされた。

ふっと香る空気に包まれたかと思うと、柔らかい体がぶつかる。

くちびるをふさがれていた。

ドアが開き、綺樹は成介とくちびるをあわせたまま涼に視線を流し、目で挑発するように笑った。

涼が固まり、驚愕で目を見開いた後に、さっと怒りの表情になった。


「おまえら。
出てけ!」


涼はそう言って開けたドアを拳で叩いたが、次の瞬間きびすを返して行った。


「日本語の解釈を間違えたかな。
 出てけ、と言わなかったか?
 なんで自分が出て行くんだ?」


綺樹は不思議そうに成介を見た。