「栗沢さん」 「……なに?」 「怖かったらあたしの手を握ってもいいですよ?」 「……誰が握るか」 さて。 作戦開始といきますか。 「え、ちょ、栗沢さん!? 歩くのはや、」 早い、と言い終えないうちに、三枝は突然現れたお化けに恐怖して「ぎゃあぁぁっ」ととんでもない悲鳴を上げる。 よしよし。 こいつ、絶対に“こういう系”が苦手だな。 ニタニタと顔が綻ぶのを感じながら、僕は三枝を放ってどんどん歩き続ける。 ……正直、僕もさっきから心臓がバクバクいっているのだけれど、そんなこと我慢だ。