三枝が入場ゲートに現れたのは15時前。
「おまたせしました」
……なんだこいつ。
服装、おかしくないか?
時折、三枝の私服姿を見たことはあったけれど、たいていこいつはジーンズ姿だ。
なのに。
「……おまえ、なんだその格好は」
場違いなセレブ? いや、勘違いセレブ?
柔らかそうな生地のワンピースに、大きいツバの帽子、そして、サングラスに、ハイヒール。
ついでに、落ち着いたブラウンのウィッグなんかつけてるし……。
「やだ、変装ですよぉ。誰かに見られても、まさかあたしだとは思わないでしょう?」
「……同時に俺の趣味も疑われるわけか」
「え? 今日のあたし、イイ女~って感じだから大丈夫ですよ?」
……普通の格好で来い、ときつく言っておけばよかった、と心の底から後悔した。


