インストール・ハニー


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 仕組みなど分からない。楓はここを通って、通って? なんて言えば良いのか分からないけど、ここから出てくる。ここがドアみたいになって。右手に持ったスマートフォンを見る。

 いちいち、あっちの部屋に戻らないとだめのだろうか。そう思うようになっていた。ここに居ちゃだめなのか。あたしと、一緒に居られないんだろうか。

 サンライトでのバイト。お客様をご案内する楓の背中を遠くから見ながら、カップにアイスティーを作る。楓にじゃなくてオーダー入ったから。

「またお越し下さいませ」

 一海が玄関からフロントへ戻ってきた。

「来週のバーベキュー、楓くんも来られるんでしょ?」

 あたしはアイスティーを運んで戻って来て、そこへ一海が小さく耳打ちする。店内にお客様が居る時に、あまり無駄話はできないから。

「うん、大丈夫。話してあるから。楽しみにしてるって」

「良かったぁ。夏休みシフトの最後の日だからね。打ち上げだよ」

 宿泊客の夕食の時間が近付いてくると、店内が慌ただしくなる。西日が当たる西洋風の建物は、それはそれは綺麗に見える。坂の途中にあるサンライト。絵葉書にしたいくらいなんだ。

 それを眺めることはできないけど、一生懸命バイトに勤しむ3人が内部に居る。