「私は今日なんとしてでもふたりを観覧車に乗せてキス以上の事させるって決めてるんだから」
「観覧車に乗せるまでは計画できるにしても、そこから先は俺と美琴次第だろ……あ、つーかその前に美琴に俺の事変態だとか言うんじゃねぇよ。
美琴はおまえの言う事は何でも信じるんだから変な事吹き込むのは勘弁してくれ……」

本当に困っているような顔で言う大和を見て、彩乃は「ああ、ごめんつい」と笑う。

「黒崎って美琴に対して病的だし粘着質だから、そっちもそうなんだろうなって思っただけよ」
「想像するなよ、そんな事……。おまえ、本当にちょっと性格考えないとまずいんじゃねぇの。
そういう話普通にできる女、男はひくと思うけど」
「私だって彼氏だとか彼氏になる可能性のある人の前ではこんな話しないもの。
でも黒崎は美琴以外眼中ないから安心してぶっちゃけちゃってるだけよ」

彩乃は、見くびらないで、と威張るように言ってから、ふたりを観覧車の方に行くように促してその背中を押す。

「ほら、こんな話してる場合じゃないのよ。早く行って」

背中を押された美琴が「でも、彩乃はどうするの?」と振り返ると、彩乃は美琴を安心させるようににっこりと笑う。