恋する季節 *- confession of love -*



「大和にね、浅海さんの名前は直接出さなかったけど、今日は他の子とも話した方がいいよって、言ったの。
私とばかりいたら、他の子が可哀想だからって」
「……あ、だからあんな感じになってるわけね。
家のホテルが潰れたのかと思った」

余計な気を使って大和をどん底まで落とした美琴に、彩乃は苦笑いを浮かべながら他の女子なんかより大和の方がよっぽど可哀想だと同情してしまう。

本当だったら、美琴の隣を独占して今日を過ごす計画を企てていたに違いない大和。
それなのに有頂天のさなか、美琴本人にそんな事を言われて、落ち込んでいるなんて言葉じゃ足りないくらいに地獄状態だ。
それなのに美琴が言うから他の女の相手をして……本当は嫌なくせに。

大和も美琴に言われたからといって言うとおりになんかせず、ちんぷんかんぷんな気の使い方をする美琴にガツンと注意をすればいいのにと、彩乃は呆れてため息をつく。

「で? 美琴は浅海さんが黒崎への気持ちをふっきるための思い出づくりに協力したってわけ?」

いくら恋愛方面に乏しかったりぬけているからといって、さすがにそれはないんじゃないか。
そんな風に思って見ていた彩乃の視線の先で、さきほどまで沈んだ表情をして俯いていた美琴が、ぐっと視線を上げて彩乃と視線を合わせる。