しかもよく観察するまでもなく、大和はがっかりした顔をしている。
遠目から見ても分かるほどのマイナスオーラを放つ大和に、彩乃がどうしたんだろうと顔をしかめていると、隣で美琴がその答えを口にする。
「今日、大和が家まで迎えにきてくれたから一緒にここまで来たんだけど、その時、浅海さんたちと会ったの。
それで、他の子が大和と話してる間に、浅海さんにふたりきりで話したいって言われて話したんだけど」
浅海というのは、大和の取り巻きの代表格のひとり。
ふわふわしたショートカットで、顔立ちは可愛い系というよりはキレイ系の、同じ大学の女子だ。
サバサバしている性格は男子からも女子からも支持率が高く、人気がある。
大和がいうには、大学入ってから知り合った友達のひとりらしいが、一方の浅海が大和に対して恋愛感情を抱いている事は彩乃からも見て取れた。
そして、美琴からも。
「浅海さんがなんだって?」
「いい思い出作りたいから、今日大和を少し貸して欲しいって言われて……」
「はぁ?! そんなの関係ないじゃない!
もともと美琴と黒崎ふたりで来る予定だったのを邪魔しにきたのはあっちなんだから!」
一気に沸点まで達した彩乃に、美琴は沈んだ表情で続ける。



