今日、美琴もそれなりに頑張ろうと決意している事も分かっている。
だからこそ、今日は絶対に成功させないと――。
そう思い自分を奮い立たせた彩乃が、そういえばと周りを見渡し始める。
「っていうか、黒崎はどうしたの?」
美琴のいる場所に黒崎あり。
そんなことわざが彩乃の中には成り立ってしまっているほどいつも美琴の傍にいるのに、大和の姿を見かけない。
それを不思議に思って周りをキョロキョロと見渡し始めた彩乃に、美琴が「あそこにいるよ」と指先で示す。
指の方を見ると、確かにそこには大和の姿があり、周りには数人の女子の姿があった。
取り巻きのせいで美琴に寄ってこられないのかとも一瞬考えた彩乃だったが、すぐにそんなハズないと思い直す。
大和の美琴への一途さは彩乃が思うに異常なほどで、それゆえ、他の女子はどうでもいいと考えがちだ。
だからあんな風に周りを囲まれたってそんなのお構いなしで美琴の隣を陣取る。
少なくとも、大学内ではいつもそうだった。
それなのに、あんなに楽しみにしていた今日だけ他の女子にいいように囲まれるなんておかしい。
いつもなら群がる女子をものともせずに弾いて、美琴目指して突き進んでくるのに。



