恋する季節 *- confession of love -*



「彩乃、大和をからかわないで。彩乃が火をつけなければ、大和も普通なんだから」
「……美琴の目って節穴なの?」

そんなわけねぇだろっ!と今度も大和は抗議していたが。
放っておいても大丈夫だと判断したのか、今度は美琴もスルーして大和を振り返ろうとはせずに彩乃に答える。

「本当だってば。ただ私にすごく気を使ってくれたりはするけど、普通だよ。ね」

ね、と微笑まれた大和が、曖昧に頷いて視線を逸らす。

彩乃は、姫に従う下僕状態が普通なわけないだろうと内心ツッコみながらひとつため息を落とした。
一方の大和は、美琴の真っ直ぐな信頼に耐えきれなくなったのか、そういえばと着ていたシャツの胸ポケットをゴソゴソと探って、一枚のメモを取り出し彩乃に差し出した。

「なにこれ」
「同じ講義とってるヤツが、彩乃に渡して欲しいって言うから。番号とメアド」
「はぁ? なんでこんなの受け取ってくるの? 知りもしない人となんてメールも電話もしたくない」
「じゃあその辺のごみ箱にでも捨てればいいだろ。俺はおまえに渡すまでを頼まれただけだし、その後おまえがどうしようが関係ねぇし。
おまえ人の好意むげにしてもなんとも思わないから平気だろ」
「人の事言えないでしょ。女に告白されまくってんのにこっぴどく振ってる黒崎に言われたくない」