「だって、なんか意外だったから。
そこまで黒崎の事考えてるなんて思わなかった」
そう素直に言った彩乃に、美琴は困り顔で微笑む。
その表情は少し沈んでいるようにも見えた。
「大和もね……多分そう思ってるの。
私が、可哀想だとかそういう理由で告白を断らなかったとか、そんな風に思ってる。
私、そんな理由で付き合ったりなんかしないのに……なんでだろう」
「なんか美琴ってぼやっとして見えるからじゃない?
実際は自分の意思で決めてても、流されてるんじゃないかって見えちゃうのよ。
優しいしお人よしだし、雰囲気がぽわんってしてるから」
彩乃の説明に、そうかなぁと呟いた美琴が、小さなため息を落としてからハッキリとした口調で「だから、ちゃんと言わないとって思って」と決意を語り始める。
「私は流されてるわけじゃなくて、ちゃんと自分の意思で付き合ってるんだって言って、大和にもそれを分かって欲しいから。
もう……不安な顔して欲しくないから」
だから頑張らないと。
そんな風に自分を奮い立たせるように言った美琴が、クリームパンを頬張る。
一年前だったらありえない美琴の頼もしい発言に、彩乃もふっと笑いながら二つ目のサンドイッチを口に運んだ。



